「採用しても三ヶ月で辞める」「会議が長いのに何も決まらない」「現場のリーダーが疲弊している」。これらは一見バラバラな問題に見えますが、多くの場合、根本には同じ構造があります。役割定義の曖昧さです。誰が何を決めるのかが明確でない組織では、善意の人たちが互いの仕事を侵食し合い、疲弊していきます。
パターン1:意思決定の重複 ¶
同じ案件について、複数の人が「自分が決める」と思っている状態です。会議で決まったはずのことが、翌日に別の上司から覆される。あるいは、誰も決めないまま時間が過ぎる。この状態では、現場のリーダーは「どこまで自分で決めていいか」が分からず、すべてを上に確認するようになります。結果として、経営者の時間が細かい確認作業で埋まります。
パターン2:評価基準の不一致 ¶
「頑張っているのに評価されない」という不満は、多くの場合、評価する側と評価される側で「何が良い仕事か」の基準が違うことから生まれます。経営者が「売上への貢献」を重視しているのに、現場のリーダーは「チームの雰囲気」を大切にしている。どちらも間違いではありませんが、基準が明示されていなければ、評価は恣意的に見えます。
パターン3:役割の境界線の侵食 ¶
善意から始まることが多いです。「あの部署が手が回っていないから手伝おう」という行動が、気づけば「あの部署の仕事は自分たちがやるもの」という認識になります。本来の役割が曖昧になり、誰が何に責任を持つのかが分からなくなります。この状態で人を採用しても、新しい人は「自分の仕事」を見つけられず、定着しません。
役割定義を整理するための最初の一歩 ¶
まず、現在の全員の役割認識を個別に書き出してもらうことから始めます。同じ役職の人が、自分の役割をどう認識しているかを比較すると、ズレが可視化されます。このズレを経営者と現場が一緒に見ることが、役割定義の再設計の出発点です。Vontrix Veltの組織設計プロジェクトでは、この作業に最初の一ヶ月を充てます。
組織の問題は、人の問題ではなく構造の問題であることが多いです。役割を整理することで、同じメンバーでも動き方が変わります。組織設計に関心がある方は、まずご連絡ください。