経営者から相談を受けるとき、「売上が伸びない」「人が定着しない」という言葉で始まることが多いです。しかし、これらはまだ「症状」であって「問題」ではありません。症状に対して施策を打つと、別の症状が出てきます。問いを正しく立てることが、経営課題解決の最初の、そして最も重要な工程です。

症状と問題を区別する

「売上が伸びない」は症状です。その背景に「既存顧客の離脱率が上がっている」という問題があるかもしれません。あるいは「新規顧客の獲得コストが上昇している」かもしれません。同じ症状でも、問題の構造が違えば、打つべき施策はまったく異なります。まず症状を列挙し、それぞれについて「なぜそうなっているか」を三回繰り返すことで、問題の輪郭が見えてきます。

問いを一文で書く練習

問いを言語化するとき、「どうすれば売上が伸びるか」という形では広すぎます。「なぜ既存顧客の年間購買回数が、二年前と比べて平均一・二回減っているのか」という形で書くと、調べるべきことが明確になります。問いを一文で書く練習は、経営者が一人でできる最も有効な思考整理の方法の一つです。書いた問いを声に出して読み、違和感があれば書き直します。

問いの優先順位をつける

問いは複数出てきます。すべてを同時に解こうとすると、どれも中途半端になります。「これを解けば、他の問いも連鎖的に解けるか」という観点で優先順位をつけます。Vontrix Veltでは、初回ヒアリングの後半をこの作業に充てることが多いです。経営者が「これが一番大事な問いだ」と言えるようになった時点で、プロジェクトの方向性が決まります。

問いを定期的に見直す

三ヶ月前に立てた問いが、今も正しいとは限りません。市場環境が変わることもあれば、調査を進める中で問いそのものが変わることもあります。定例セッションの冒頭で「今も同じ問いを解いているか」を確認することを、Vontrix Veltでは習慣にしています。問いが変わったことは失敗ではなく、理解が深まったことの証拠です。

問いを正しく立てることは、答えを出すことより難しいです。しかし、この工程を丁寧に行うことで、その後の施策の精度が大きく変わります。提供しているプログラムの詳細は、思考整理セッションのページをご覧ください。