経営課題を正しく定義するための問いかけの技術
経営者から相談を受けるとき、「売上が伸びない」「人が定着しない」という言葉で始まることが多いです。しかし、これらはまだ「症状」であって「問題」ではありません。症状に対して施策を打つと、別の症状が出てきます。問いを正しく立てることが、経営課題解決の最初の、そして最も重要な工程です。
続きを読む →一枚の紙に問いを書き、静かに読み返すこと
2017年、Kenji Moritaniは大手戦略コンサルティングファームを離れ、Vontrix Veltを設立しました。前職では主に製造業と流通業のクライアントを担当し、七年間で二十件以上の再編プロジェクトに関与しました。しかし、大きな組織の中では、依頼主と直接向き合う時間が年々減っていくことに違和感を覚えていました。報告書の品質よりも、経営者との対話の密度を優先したい。その一点が、独立の動機でした。
創業当初は、東京・神田の小さな事務所で、Kenji Moritaniひとりで始めました。最初の依頼は、知人の紹介による食品メーカーの販路再設計でした。六ヶ月間、週に一度工場に通い、現場の声を聞きながら施策を組み立てました。その経験が、Vontrix Veltの基本的な仕事の進め方を決定づけました。現場を見ずに机上で設計しない。この原則は、今も変わっていません。2020年以降はリモートでの対話も増えましたが、初回と節目のセッションは必ず対面で行うことにしています。
初回ヒアリングは最低三時間。問いを立てる前に、まず聞く
同時進行の案件は最大四社まで。それ以上は受けない
報告書は渡すが、読み方のセッションも必ずセットで行う
毎月第一月曜日は社内勉強会。外部の知見を定期的に取り込む
創業以来、紹介以外の新規案件は受けていない時期が三年続いた
— T.Hayashi
多くの経営課題は、問いの立て方が間違っていることで迷走します。私たちはまず「何を解くべきか」を依頼主とともに定義します。この工程に、全体の三分の一の時間をかけます。
業界テンプレートを当てはめることはしません。ヒアリングと現場観察を経て、その会社にしか通用しない施策を設計します。過去の事例は参照しますが、複製はしません。
報告書を渡して終わりではありません。施策の実行フェーズにも同席し、現場の反応を見ながら方針を微調整します。計画と現実のズレを、早期に修正することが私たちの役割です。
Vontrix Veltは常時三名体制で動いています。大手ファームのように案件を分散させず、担当者が最初から最後まで責任を持ちます。窓口が変わることはありません。
“最初のヒアリングで三時間話し続けましたが、終わった後に「問題が整理された」という感覚がありました。提案書をもらう前から、価値を感じていました。
T.Hayashi · 食品メーカー 代表取締役
“組織設計のプロジェクトで、現場のリーダーたちが初めて自分の役割を言葉にできたと言っていました。外部の目が入ることで、内側では見えなかったものが見えてきました。
M.Okada · 物流会社 取締役
経営者から相談を受けるとき、「売上が伸びない」「人が定着しない」という言葉で始まることが多いです。しかし、これらはまだ「症状」であって「問題」ではありません。症状に対して施策を打つと、別の症状が出てきます。問いを正しく立てることが、経営課題解決の最初の、そして最も重要な工程です。
続きを読む →「採用しても三ヶ月で辞める」「会議が長いのに何も決まらない」「現場のリーダーが疲弊している」。これらは一見バラバラな問題に見えますが、多くの場合、根本には同じ構造があります。役割定義の曖昧さです。誰が何を決めるのかが明確でない組織では、善意の人たちが互いの仕事を侵食し合い、疲弊していきます。
続きを読む →事業承継の相談を受けるとき、多くの経営者は財務的な移行計画を最初に気にします。株式の移転、税務上の処理、金融機関との関係。これらは確かに重要です。しかし、二件の承継支援を経験して分かったことがあります。最も時間がかかり、最も重要なのは、創業者が長年かけて培ってきた「判断の基準」を言語化することです。
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Kenji Moritaniは、大学で経営工学を修めた後、国内大手戦略コンサルティングファームに入社。製造業・流通業を中心に、事業再編と組織設計を専門とした。七年間の在籍中、北海道から九州まで現場に足を運び、工場の床を歩きながら課題を探す習慣を身につけた。2017年にVontrix Veltを設立。休日は茶道の稽古に通っており、「問いを立てて、静かに待つ」という姿勢は、茶室での時間から学んだと語る。